悲惨な引っ越し2

ここから出たい!という気持ちに拍車をかけたのが、3階に引っ越してきた 中年夫婦であった。私が住んでいたURのフロアは部屋、廊下を挟み、 対面に部屋がある。夜が深まれば、音が響いてしまうのである。 引っ越してきたばかりのこの中年夫婦はそのことに気…

悲惨な引っ越し

新生活。期待に胸膨らませる新生活。 私の引っ越しは悲惨だった。私は大阪市にあるUR都市機構の3階に入居して、10年目になるが、引っ越しを決めた理由は半年前から精神系のおばさんが私の上の部屋に引っ越してきたからであった。 そのおばさんはあらゆる生活…

猫と幸せ 私の場合

私はインターネットでニュース記事を読んでいて 猫の視線を感じ、振り向くと、猫が私をじっと見ている。 私は最近、猫と遊んでいないことを後ろめたく思っていたが、 だからといって、ただそれだけだった。 私が人差し指を出せば、鼻先を2回こすりつけるこ…

もやもや

職場の同僚と飲んだ後、近所のコンビニで買い物を済ませて、 帰ろうとしたときに「ちょっとすんません」と後ろから声をかけられた。 「お金がないんですわ。貸してもらえませんか。家に帰ったら、返します」 こう切り出した男の年は70代だろうか。 浮浪者…

よく毛が抜ける

といっても、私のことではなく、猫の毛のことだ。 うちの猫は、とにかくよく毛が抜けるので、毎日の掃除が欠かせない。 換毛期だ。 私はドラッグストアで購入した紙タオルで毛を絡めとっているが、 追いつかないので、時々、掃除機をかける。 猫と生活する以…

ライン嫌いが嗤われる

「ラインしてないんですか!? 今時ラインもしてないなんて、僕の知る限り 聞いたことがありません。おいくつですか? ラインは早いし、既読機能もあって便利ですよ!」とこの若い専務役員は嗤い、 私の上司はそれに言葉尻を合して、 「そうですよね。この人…

呀雌

うちの猫の名前は単純なので、 漢字はせめてややこしくしてやろうと思う。私はうちの猫の漢字を次のようにつけて、 ゲラゲラと笑った。呀雌口牙の雌。お前はよく俺のことかむだろう。 だから、当然の当て字なのだ。

秋の夜と我が家の猫

私が『高校生のための経済学入門』を読んでいたら、 高校生のための経済学入門 (ちくま新書)作者: 小塩隆士出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2002/03/01メディア: 新書購入: 8人 クリック: 59回この商品を含むブログ (42件) を見る 我が家の猫が机の上にヒ…

猫と抜糸

我が家の猫が避妊手術を受けて、10日目。 今日は動物病院で、抜糸を受けた。 抜糸の糸は金属だ。 私が猫を万歳させて、 獣医が糸にはさみを入れて、 切って、抜いていく。突然、猫が暴れ出し、 はさみの鋭い先端が猫の腹に刺さったら どうしようかと私は気…

爪切りが激烈に嫌いな猫

今日猫と帰省する。 猫爪による迷惑が親の家で最小限になるよう、 俺は猫の爪切りを済ませたかった。 俺は家から最も近い動物病院に行った。 ここへ一度行ってみたかったのだ。 待つこと30分。 受付「今日はどういった理由で?」 俺「爪切りです」 10分…

よくやった!

我が家の猫は、爪切りが大嫌いだ。 だから私は我が家の猫の爪切りをほとんどあきらめ、 猫がうっかり寝ぼけてるときに爪を切ったが、 そんな機会はめったに訪れず、爪の切り残しもあったし、 日が経つにつれて、切った爪は伸びてくるのであった。 こういう猫…

我が家の猫が苦手だ

私が仕事を終えて、家に帰るのを少しためらったのは 私が我が家の猫に苦手意識を持ったからである。 うちの猫は猫らしく、トイレを覚え、 爪とぎ場をその日に覚え、甘えたいときだけすり寄り、 私が移動すれば、間をあけて、やってくる。 朝夕に意味もなくば…

我が家の猫

爪とぎ、トイレを覚えた我が家の猫。 段ボール、紙、本、線、ティッシュを見れば、 これでもかと噛み、 大きなものには飛びかからず、小さく弱いモノに飛びかかる。 ////////////////////////*--------------------+1 と今、我が家の猫がキーボードの前を横…

我が家に来た猫

「よろしくです!」と そのブリーダーは別れ際、僕に言った。 「こいつとずっと一緒に楽しくいてやってください」 と僕は解釈した。ブリーダーはこいつの晴れの日を お別れの意味を込めて、シャンプーで応えた。 僕らは地下鉄に乗り、 僕はこいつの名前を決…

明日やってくるお前へ

明日、お前がここに来て、4か月のお前が 床をぺたぺた歩くだろうことがどうにも私には信じがたい。 それというのも、私が独立するまでに育った家では 生き物を飼ったことなど夏祭りの金魚を除いて、 一度もないからだ。 動物を家で飼うことは動物と生活を共…

私は猫を迎え入れる

今週の水曜日に猫を迎え入れる。 丸顔のスコティッシュフォールドである。 私はこいつを迎え入れるにあたり、ベッドから食事皿まで 評判のよいものを一通りそろえた。 私はフローリング保護のためにどれがよいかさんざん迷い、 結局クッションフロアを注文し…

休日はグズグズするのが私

私は帰省して、山に登ります。 帰省は3日間で、だから荷物は少なく。 結論はアウトドアの格好ですが、帰省するためだけにこの格好は恥ずかしくて、 家を出るまで、グズグズしていました。 私は、私自身が他人の視線にさらされていると考えてしまう人で、 そ…

夢のような時間

地下鉄。扉が開くと、 俺とその女性はほぼ同時に座った、対面に。 女性は、髪が長くて、色白で、年は20代だろう。 女性はデニム地の黒のミニスカートをはいていて、 白い下着が▽の形で露骨に見える。 ▽の左右に白い太ももがついていて、 なんともたまらず…

針灸

仕事が終わり。 疲労が膜になって、私の体を ドロドロと覆っていたので、私は針灸に行った。 先生が「今日はどうされましたか?」 と質問して、 私はこの質問を心の底から欲していたので、 「先生、今日は疲れてしまいました」 と素直に答えて、先生は少し驚…

兄の苦笑い、弟の癇癪

地下鉄。 アジア系の家族が乗車してきた。 その中に兄弟がいて、兄は10歳、弟は4歳ぐらいだろうか。 兄は私の隣に座り、弟は兄の前で膝をついて、兄と向かい合う。 弟はよく日に焼けていて、笑うと、白い歯が目立つ。 二人は両手の人差し指から始まるゲー…

ポニーテイルの娘

エレベーターが3階で開いた時、 母親と小さな娘が乗り込んできた。 色白の娘は天然パーマのポニーテイルだ。 年は3歳から5歳だろう。娘は私を見た途端、母親の背中に回り込み、 私から隠れた。隠れたのだが、娘はひょいと頭を出して、 私を確認し、また隠…

バイキングと私

予想もしなかったが、 私は今日、上司とバイキングに乗る羽目になった。 彼女はK遊園地を目の前に、バイキングを見て、目を輝かし、 まさに子供のように「私アレに乗ってみたい」といい、 私は笑った。 上司は「怖いの?」と私に尋ねたが、私は心外だった。…

車掌の微笑

帰宅時の電車。 車掌が俺の座席、左隅に乗車してきた。 車掌は背筋を伸ばし、毅然と立つ。 車掌のはっきりした化粧と制服がよく合っている。 俺は読みかけの本を読み始める。「ひゃく」 「ひゅーく」 なんだろう、この音は。 音の方向にはおばさん、おじいさ…

日がな一日

雨上がり。小さな公園を歩く。 乾きつつある湿った極小の砂利土、その下に堆積しているであろう粘土質の土。 足を踏み出すと、地面の硬すぎず、柔らかすぎない「じゃむむ」という感触。 靴と靴下が間にあって、踏むという気持ちよさ。 私はこれが好きだ。 便…

大根に似た足

私はエスカレーターを駆け上がり、 目の前に白のストッキングを身にまとった足が見えて、 この足は大根に実によく似ていた。 私は「これ煮込んだら美味しいだろうなあ。 左は大根、右は豚足の煮込み……」と 自分の思い付きにびっくりして、 それからしばらく…

500円玉

仕事帰り。 ドトールをざっと見渡すと、満員。 丁寧に見ると、空いてる座席が1か所ある。 私はそこに荷物を置き、アメリカンとどら焼きを注文して、戻ると、 私の座席の下、やや右斜め。 あらあ。これはお助けせねば。 暗い足元 光る白。 傘の柄で おさえつ…

起床して、歯を磨き、着替えて、職場へ出かけた。 朝の街を歩き、朝陽を浴びる。気持ちがよい。 すれ違う人たちに病名を付け、 これが絶妙にその人へマッチして、笑える。 朝からまことに気分がいい。 コンビニで味噌汁とおにぎりを買って、 店から出ようと…

ばい〜〜〜ん

階段を上るとき、 人ごみだと思える平坦な道を歩くとき、 ある男は瞬間的に加速する。1歩、2歩の瞬間的な早足。 それは後ろから歩いている人や 並んで歩いている人にはわからぬものであり、 特に子どもなぞには決してわかるまい。あれ? いつの間にか距離…

市松模様の箸がない

毛抜はこの部屋で3回なくした。 小さなものだから、特に気に留めなかった。 どういうわけかわからないが、箸がないことにさきほど気がついた。 2回目である。半年前に無印良品の箸をなくした。 それから市松模様の箸を使うようになった。 広くない部屋なの…

星空が好きだ

夜の楽しみは星空だ。 変化が求められ、変革が叫ばれ、 人の行動は10年前とは明らかに異なり、 友だちに子どもができて、僕も少しずつ年を取っていく。でも、夜の星空は変わらない。未来永劫といってしまえば、 大げさだが、少なくとも僕が生きている間は…