JR名古屋駅周辺にて

取材で名古屋に行った。僕はJR名古屋駅の利用者の多さに面食らい、ビルの高さに感嘆し、地下街の長さに驚いた。特に地下街の長さは歴史的にどう変遷してきたのか気になる。

JRセントタルタワーズ。まさに名古屋駅の顔。ロケットが発射されてもおかしくない近未来的で格好いい建築物。

駅前にある「飛翔」という名のオブジェ。まきまき具合がよろしい。うんこのようだ。

ミッドランドスクエア。厳密な直線の集積。鋭利。

修学旅行生たちの群れ。これを取りまとめる先生は大変。その後、僕は駅の階段を登る一人の高校生を見る。猫背で下を向いて歩く彼。僕は「こいつは疲れ切ったサラリーマンみたいやな」と思ったとたん、高校は勉強するためというよりも、サラリーマンを養成する機関だと納得。彼は高校の制服、時間割、先生に従うことを通じて、サラリーマン社会に馴致する下地=スーツ、勤務時間、上司に従うことを手に入れる。おそらく彼は立派なサラリーマンになるだろう。

名古屋駅の人混み。実際にかなりの混雑。僕は人々の視線の圧力に屈してしまいそうだったが、撮影。カメラを首からぶら下げて、旅行用かばんを持っていれば、他人は僕を観光客と判断すると考えたからだ(実際、取材を終えた後は観光気分だった)。観光客はなんでも写真をパシャパシャしたがる。そう思うと気が楽。

誰もいない線路。僕はどこに行こうとしているのか。これから誰が、何が僕を訪れようとするのか。線路はこういう問いを喚起させ、僕は僕の現状を路線に投影する。お前、これからどうすんの?答えはいつも、わからない。