2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ルーシー=リー 翻訳その2

The Lucie Rie Archive at the Crafts Study Centrep3を次のように翻訳しました*1。 彼女の大きな望みは陶器の制作に、1920年代に名声あるウィーン工業美術学校で訓練を受けた工芸に、そして彼女が卒業・結婚後に一つの評価を築いてきた工芸に戻ることだった…

ルーシー=リー 翻訳その1

The Lucie Rie Archive at the Crafts Study Centreのp2を次のように翻訳しました*1。 大英勲章第二位のルーシー=リー(1902-95)は英国の最も有名な陶芸家の一人だった。彼女は1967年のアート=カウンシルでの回顧展から1991年の彼女の大英勲章第二位の受賞ま…

京都タワーにお願いを

ディレクターA、カメラマンB、僕は徹底的に分業化された京都伝統産業を10時から19時半までディープ取材。厳しくも、楽しい仕事だった。解散して、京都駅に向かう。修学旅行生が駅に群がっている。僕は彼女/彼らを横目に、夜の京都タワーにカメラを向ける。パ…

民藝と作家の両立−河井寛次郎の場合−

はじめに 陶芸作家の河井寛次郎(1890-1966)は民藝の作家として位置づけられています。民藝と作家は相反する概念ですが、河井においては両立しています。この作文ではこのことを考えてみます。1.河井の葛藤 大正時代は、個人主義が台頭し、民主主義的な運動…

a little garden 出口絵衣子展 in 高島屋京都店6階美術工芸サロン

高島屋京都店6階美術工芸サロンが2011年4月20日から4月26日まで開催する「a little garden 出口絵衣子展」。普段使いの陶器からオブジェまでがズラリと並ぶ。出口絵衣子さんは陶芸作家だ。大学卒業後、滋賀県信楽町、栃木県益子町での作陶を経て、現在、東京…

『オールド・ノリタケ名品集』

『オールド・ノリタケ名品集』という写真集をご紹介。編者は大林紀子さん、大賀弓子さん。二人はINCC(インターナショナル・ニッポン・コレクターズ・クラブ)の会員です。オールドノリタケとは明治時代末期から戦前にかけて、日本陶器(現、ノリタケカンパニー…

納品

僕は先輩ライターAさんからのテープ起こしの仕事を完了させ、電話とメールでAさんへそれを伝える。Aさんから感謝の電話が掛かる。本当に助かりました。納品させていただきます。ありがとうございました。労働に対する対価も当然うれしいが、丁寧な感謝もまた…

準備

記事の質は取材に起因し、取材のよしあしは準備で決まる。ここでいう準備とは問いを100ほど作ること。その問いの数が問いの質を決定する。取材人物のHPやブログがあると準備しやすい。たとえば、過去1年にさかのぼり彼女/彼のブログをざっと読む。読みながら…

火傷が面白い

こっちのほうが面白いですよね。近所のドラッグストア。昨日、火傷を負った僕は適切な治療品を求めて、薬剤師にこう聞いた。二人はまぶたを見開く。どうしてこの人はそんなことを聞くのか、という一瞬の戸惑いのあとに彼女たちは目を輝かせる。うれしそうだ…

火傷をながめる

BDシャツのアイロン掛け。素材は綿だからアイロンの温度設定は一番高い。アイロンが左手に触れる。あづい。声が勝手に漏れ、左手をアイロンから反射的に離す。反射的に離しても遅かったという意識がヒュっと立ち上がる。左手を見る。ズリ落ちた皮、そこから…

『日本やきもの史』

『日本やきもの史』という本をご紹介。監修は矢部良明さん、肩書きは郡山市立山美術館長です。本書は8名の執筆者による縄文時代から現在までの「日本」の陶磁器の概説史です。以下、面白いと思った3点。 明治前期における窯業生産の特色の一つは、東京や横浜…

パピーウォーカー

フリーペーパー「SHIGA-ICHI!!」の取材の一環として、パピーウォーカー(以下、パピーと呼ぶ)のAさん宅を訪問した。パピーとは盲導犬の候補犬を飼育する奉仕者のこと。パピーは、生後2ヶ月前後の候補犬が1歳前後になるまで預かる。この段階の主な目的は候補犬…

京都デニム

ある種のクリエイターたちは一つの傾向をもつ。それはボリューミーなエネルギーを有していること。今日、お会いさせて頂いた京都デニムのデザイナー、桑山豊章さんもその一人である。京都デニムは京都発のデニム工房だ。桑山さんは言いたいこと、やりたいこ…