ルーシー=リー 翻訳その1

The Lucie Rie Archive at the Crafts Study Centreのp2を次のように翻訳しました*1

大英勲章第二位のルーシー=リー(1902-95)は英国の最も有名な陶芸家の一人だった。彼女は1967年のアート=カウンシルでの回顧展から1991年の彼女の大英勲章第二位の受賞まで、芸術的な称賛、財政上の成功、そして英国における偉大な公の名誉を楽んだ。彼女の仕事はある国際的なプロフィールを確立し、ニューヨークのメトロポリタン美術館(1994-95)の展覧会で最高潮に達した。この展覧会(この施設はファインアートに傾倒している)はかつての同僚であり、偉大な友人であるハンス=コパー(1920-1979)とリーの陶磁器を紹介した共同展だった。この二人が手にした評価は、第二次世界大戦におけるユダヤ人のバラバラになった生活と立ち退きから作られた。リーとコパーはヨーロッパにおけるナチスの大きくなる影響力から逃れる亡命者として英国へ来た。二人は亡命に、親しい身内からの生涯の別離に、そして中年までの財政上の不確実さに耐えたのである。

戦時中、そして戦後明けに、ルーシー=リーは、ロンドンの平たい貸しアパートの一階で、陶磁器のボタン製造のビジネスを行った。コパーは職探しのためにリーの仕事場に、無一文で、彫刻家になる夢を抱いて1946年にやって来た。リー自身にとって、この仕事は戦後英国の張り詰めた経済状況における一つの実践的な収入に相当した。宝石やバックルのような彼女のボタンと他のアクセサリーは、配給制限の下で工業製品を調達しえない高級婦人服市場のためのカスタムメイドだった。

*1:翻訳の内容に誤りがあればご一報ください。編/東京国立近代美術館.「ルーシー・リー展」.2010.日本経済新聞社.p302からこのURLページを見つけました。