2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『モードの社会学(下)』

『モードの社会学(下)』という本をご紹介。著者は土屋淳二さん、早稲田大学文学学術院教授です。専門は集合行動論、文化変動論です。以下、面白いと思った3点。 服飾のモードは着用者の社会的地位や役割を表示する働きをもつ。このことは、ある特定の地位や…

『モードの社会学(上)』

『モードの社会学(上)』という本をご紹介します。著者は土屋淳二さん、早稲田大学文学学術院教授です。専門は集合行動論、文化変動論です。以下、面白いと思った3点。 "機能"は目的との関係性においてしか存在しえない。このような"機能"と目的との結びつき…

陶芸界の3つの評価軸

陶芸作家Aさんは国内でいくつかの賞を受賞するが、日本陶芸界*1の評論家*2はAさんの作品を異端児扱いする。なぜなら、その作品は日展(日本美術展覧会)、日本伝統工芸展、走泥社という歴史的な評価軸に沿わないからだ。一人の評論家はあなたの作品は評価でき…

ライター面接

僕はライター募集の仕事を見つけて、メールで連絡を入れる。1時間もしないうちに先方からの返事。こんなことは初めてだ。先方はいう、一度お会いしてお話させてください。面接会場は大阪の地下鉄から徒歩5分。僕は会場に到着する。待ち合わせ時間まで残り40…

『グッドバイ バタフライ』

『グッドバイ バタフライ』という本をご紹介。著者は森英恵さん、ファッションデザイナーです。本書は森英恵さんの自伝です。以下、僕が面白かった3点。 私が色に疲れ始めた1972年頃は、泥沼化したベトナム戦争の末期だった。ニューヨークの街にサイケデリッ…

ライター戸惑う

(財)京都産業21が主催する国際化セミナーを取材。僕は出入り口で名刺を2枚と引き換えに、「プレス・報道」と書かれた入場許可書を頂く。セミナー前に編集者やカメラマンと顔を合わせ、雑談を交わす。べらぼうに元気なカメラマンの話が面白い。カメラの技術…

『モードとエロスと資本』

『モードとエロスと資本』という本をご紹介。著者は明治大学特任教授の中野香織さん。専門は服飾史です。本書は服飾史家が見たゼロ年代以降の欧米、日本のファッション史の概説です。以下、面白かった3点。 ファッショニスタに根強い思い込み、「ワードロー…

テープ起こしのコツ

テープ起こしの仕事をクライアンから頂く。 録音時間は大体60分。 音質はほとんど雑音なし。 それを起こす。 僕は数百人のインタビューをテープ起こしした。 5分のテープ起こしに要する時間はブラインドタッチを用いても、20分から25分かかる(確認も含む)。…

Cora-Vola UNHCR国連難民支援チャリティーコンサート

先日、僕はエンターテイメント情報誌「SHIGA-ICHI!!」の取材に同行させて頂きました。UNHCR国連難民支援チャリティーコンサート「Heart to Heart~未来への挑戦~」とその主催者であるCora-Vola〜piece〜に対する取材です。以下はそのルポ。歓声。アップテンポ…

ライター面接

再び面接である。場所は京都のあるスターバックスカフェ。待ち合わせは15時半。先方はあるメディア業界の方。僕は先方に履歴書を送ってあるし、幾度かメールのやり取りもしている。だから、僕の緊張感はいつもより薄い。15時に先方から電話。その電話番号は…

「現代陶芸の地平を拓く〜富本憲吉から八木一夫へ〜」in 兵庫陶芸美術館

兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo - 土と語る、森の中の美術館が2011年1月22日から2月27日まで開催している「現代陶芸の地平を拓く〜富本憲吉から八木一夫へ〜」。展覧会は4章から構成される。僕は「第3章 20世紀後半生れの作家 うつわ」と…

『てつがくを着て、まちを歩こう ファッション考現学』

本書は哲学者で大阪大学学長の鷲田清一さんによるファッションの考現学、エッセイ集です。以下、面白かった3点。 衣服はけっして外見などではなく、ひとがじぶん自身をイメージするときのそのしかたを映すものであるから、その良し悪しをいわれるのは、その…

『Lucie Rie ルーシー・リーの陶磁器たち』

本書はルーシー・リー作品集であり、9名の執筆者がルーシー・リーの様々な側面を伝えたエッセイ集でもあります。とりわけ彼女の弟子たちが伝える彼女の側面が面白い。以下、面白かった3点。 ウィーンの応用美術界において、女性であることの代償は極めて大き…

「ルーシー・リー展」 in 大阪市立東洋陶磁美術館

久しぶりだった。人々が美術館に入館するために並ぶ姿を見るのは。デート中の男女、中年の女たち、ベビーカーを押す若い夫婦、友達母娘、芸大生めいたファッションの若者たち、老いた男や女たち、家族連れ、小さな子ども…老若男女が10mほどの列を作る。大阪…

『石津謙介 いつもゼロからの出発だった』

日本のアイビールックを、TPO(time/place/occation)を生んだVANの創始者、ファッションデザイナーの石津謙介さん。今日は彼が執筆した『石津謙介 いつもゼロからの出発だった』をご紹介。本書は石津さんによる石津さんの自伝です。以下、面白かった3点。 商…

「『工芸』概念の成り立ち」『境界の美術史』

僕らは陶磁器を工芸に位置づけていますが、そもそも工芸とは何ぞや、という疑問にすぐさま答えられる人は多分、それほどいません。それに答えてくれる論考が『境界の美術史』という本に収録されれている「『工芸』概念の成り立ち」です。著者は北澤憲昭さん…