テープ起こしのコツ

テープ起こしの仕事をクライアンから頂く。
録音時間は大体60分。
音質はほとんど雑音なし。
それを起こす。
僕は数百人のインタビューをテープ起こしした。
5分のテープ起こしに要する時間はブラインドタッチを用いても、20分から25分かかる(確認も含む)。

効率的にテープを起こしたいが、迷いが生まれる。
これがテープ起しを遅らせる。
僕の場合、テープ起こしは4つの点で迷う。

1.格助詞。話し手は「何々といいました」、「何々っていいました」と時々異なる格助詞を用いる。うっかりすると聞き間違える。


2.動詞の変換。「○○がいった」の「いった」を変換すると「行った」、「言った」、変換されずに「いった」などが出てくる。これを文脈に合わせないといけず、うっかりすると間違える。


3.動詞と補助動詞。「○○が□□をみた」という文章の「み」は動詞。だから「見」の漢字を用いる。「○○が□□をしてみると」の場合の「みる」は補助動詞だからそのまま。これが時々、「○○が□□をして見ると」と変換されることがある。


4.話し手の話す速度に合わせてタイプしてしまう。話す速度はタイピングよりも早い。それがわかっていても、疲れると、ついやってしまう。そこでテープを一度巻き戻し、聞き逃した言葉をつかもうとする。集中力は個々の言葉をつかむことに向かい、それに集中するあまり、別のつかめない言葉も出てくる。もう一度テープを巻き戻す。これを繰り返していくうちに、姿勢と集中力が乱れ、疲労を感じ、「どうして、こいつはもっときちんと話さないんだ」とテープに吹き込まれた話者の声にイライラし、ついに嫌気が差す。作業時間が延びる。


なんとかしたい。


1.その都度確認するだけ。


2と3.動詞を平仮名に統一。または『記者ハンドブック 新聞用字用語集』を用いると楽。ようするに用いる言葉を徹底的に統一する。


4.話者の話しを数秒の文節に区切り、瞬間的に記憶する。文節化すると、その声がなぜか頭に残り、タイピングが間違いにくい。休憩する。


記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集

記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集

追記:okoshiyasu2というテープを起こしのフリーソフトを使うと作業時間が縮む。