2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

バイキングと私

予想もしなかったが、 私は今日、上司とバイキングに乗る羽目になった。 彼女はK遊園地を目の前に、バイキングを見て、目を輝かし、 まさに子供のように「私アレに乗ってみたい」といい、 私は笑った。 上司は「怖いの?」と私に尋ねたが、私は心外だった。…

車掌の微笑

帰宅時の電車。 車掌が俺の座席、左隅に乗車してきた。 車掌は背筋を伸ばし、毅然と立つ。 車掌のはっきりした化粧と制服がよく合っている。 俺は読みかけの本を読み始める。「ひゃく」 「ひゅーく」 なんだろう、この音は。 音の方向にはおばさん、おじいさ…

日がな一日

雨上がり。小さな公園を歩く。 乾きつつある湿った極小の砂利土、その下に堆積しているであろう粘土質の土。 足を踏み出すと、地面の硬すぎず、柔らかすぎない「じゃむむ」という感触。 靴と靴下が間にあって、踏むという気持ちよさ。 私はこれが好きだ。 便…

大根に似た足

私はエスカレーターを駆け上がり、 目の前に白のストッキングを身にまとった足が見えて、 この足は大根に実によく似ていた。 私は「これ煮込んだら美味しいだろうなあ。 左は大根、右は豚足の煮込み……」と 自分の思い付きにびっくりして、 それからしばらく…

500円玉

仕事帰り。 ドトールをざっと見渡すと、満員。 丁寧に見ると、空いてる座席が1か所ある。 私はそこに荷物を置き、アメリカンとどら焼きを注文して、戻ると、 私の座席の下、やや右斜め。 あらあ。これはお助けせねば。 暗い足元 光る白。 傘の柄で おさえつ…

起床して、歯を磨き、着替えて、職場へ出かけた。 朝の街を歩き、朝陽を浴びる。気持ちがよい。 すれ違う人たちに病名を付け、 これが絶妙にその人へマッチして、笑える。 朝からまことに気分がいい。 コンビニで味噌汁とおにぎりを買って、 店から出ようと…

ばい〜〜〜ん

階段を上るとき、 人ごみだと思える平坦な道を歩くとき、 ある男は瞬間的に加速する。1歩、2歩の瞬間的な早足。 それは後ろから歩いている人や 並んで歩いている人にはわからぬものであり、 特に子どもなぞには決してわかるまい。あれ? いつの間にか距離…

市松模様の箸がない

毛抜はこの部屋で3回なくした。 小さなものだから、特に気に留めなかった。 どういうわけかわからないが、箸がないことにさきほど気がついた。 2回目である。半年前に無印良品の箸をなくした。 それから市松模様の箸を使うようになった。 広くない部屋なの…

星空が好きだ

夜の楽しみは星空だ。 変化が求められ、変革が叫ばれ、 人の行動は10年前とは明らかに異なり、 友だちに子どもができて、僕も少しずつ年を取っていく。でも、夜の星空は変わらない。未来永劫といってしまえば、 大げさだが、少なくとも僕が生きている間は…

個性がないコーヒーが好きだ

スタバやコンビニの類のコーヒーは 苦味や酸味、コクの全てが強くて、 なんというか、ここらへんのコーヒーは戦っているのである。こういうコーヒーを読書の援軍として、 頭を集中に向かわせるための刺激物として なんとなく飲んでしまい、 やっぱりあんまり…