うんこと葛藤

僕は2日前の風呂上がりにヘソゴマ(垢)を掃除。

今、僕は依頼者の事務所で打ち合わせ。

腹の具合がよろしくない。

うんこしたい。

大波小波の腹痛が襲い、脂汗がにじみ出る。

この事態を依頼者に悟られないようにふるまいながら、気の利いたことをいい、うんこに行くことに対する恥と葛藤し、ためらいを押しのけ、心の中で勇気を醸成し、最後に決断しなければ、多分もれる。

お手洗いはどこでしょうか。それをどのタイミングで相手に聞くか。

打ち合わせの最中に事務所の便所でうんこするライターは今までいたのだろうか。いなかったとしたら、打ち合わせ後、依頼者が俺を話題にすること100%。この依頼者は原稿料も交通費をまったく提示しないし、話になかった営業の仕事まで任すから、ひょっとしたら俺はうんこを便所で出して、もう二度とここに来ることはないかもしれない。朝の排便は便秘気味だったのに、どうしてこのタイミングで腹が痛くなるのだろう。一寸先は闇。便所が事務所内(それほど広くない)の近場だったら、おならの音が聞こえるだろうか。この腹痛から判断すれば、おならがでることは間違いがない。だったら、肛門を勢いよく開くことはできないから、自然に任せよう。うう、腹が痛い。便所でうんこ。俺の雰囲気、急降下。ラジオやテレビの収録、重要な会議なんかで腹痛をもよおしたら、みんなどうしてるんだろう。「大切な場面でも便所に行けて、うんこを出せる社会」をと叫んだら、共感してくれる人はいるだろうか。少なくとも、俺は今、自分がいったことに共感するから、一票。

結局、僕はお手洗いはどこでしょうかと聞き、それからバババとばばを便所で出したのであった。