ネタな日

今日はいろんなネタがあった。

美人と街ですれ違う。きれいな胸の形。上着のシャツはサテン地のようだ。肌触りがいいシャツに違いない。あの胸はプルンプルンだろうなと、僕は完全に上の空。歩道の段差を踏み外して、右足首をひねった。

自動販売機に小銭をいれる。100円、10円、10円。僕がボタンを押す1秒前、隣の子どもがボタンに触る。アイスコーヒーが出てくる。僕は子どもを見る。ポカンとした子どもの顔。彼は自分の行動と結果、それらに対する僕の対応に戸惑ったのだろうか。子どもは言葉を理解しても、この状況と自分の行為に対する責任を理解できるだろうか。僕が迷うこと数秒。彼の父親らしき人物を前にして、僕は説明する。これこれ、こういうわけかどうかはわかりませんが、ボタンを勝手に押されまして…、父親は僕にわび、代金を支払った。

自転車で帰宅する途中、自転車に乗った前方の女が警官に捕まる。職務質問だろうか。僕も彼らに捕まる。警官は自転車の無灯火運転を指摘。無灯火はよくないことだから改める。それとは別に、僕をおびえさせるこの警官の力が嫌だ。逆らえば、なにかされるかもしれないという恐れ。僕は僕の意思とは関係なしに、名前、年齢、職業、住所をしゃべらされて、解放。警官は自分の所属と名前、階級を名乗らなかった。

昼間に引っ越し先の物件を内覧。まず壁と天井をたたく。それは鉄筋コンクリ―トで、よく詰まってる。次に隣の部屋の壁に耳を押し当てる。テレビの音がかすかに聞こえる。つまり、この部屋は静かだ。最後に窓や玄関などの寸法を丁寧に測って、メモ。僕は内覧の後、隣の部屋の住人を訪ねる。ここの物件の評判を聞きたいから。出てきた住人は70代に見えるおばあちゃん。彼女は玄関のドアを開けず、小窓をあけて僕に対応する。僕は近々ここに引っ越す者だと彼女へ伝える。彼女は僕の質問を何度も聞き返すので、会話がときどき成立しない。耳が遠いらしい。僕は彼女の話にうなづき、要約して、オウム返しする。僕はこの地域の治安、騒音、住人トラブル、宗教の勧誘などを聞く。彼女はそういうトラブルはないし、ここは住みやすい場所だと答える。近所にスーパー、コンビニ、ツタヤがあり、地下鉄も徒歩10分と近い。 彼女は独り暮らしだ。前職は小学校の先生。歳は70歳ではなく、実は90歳。ここに10年間住んでいるらしい。そのうちに彼女は小窓を閉め、ドアのチェーンを解いて、ドアのカギをあけて、扉を開く。整理された室内の台所、食器棚、部屋が見える。3つの時計がある。部屋の作りは僕と同一。テレビの音量がかなり大きい。ということは、ここの壁は音量を防音できるだけの厚みと質ということか。僕は洗濯機をどうしているのか、と彼女に尋ねる。この部屋には洗濯置き場がないからだ。彼女は浴場兼トイレの間にそれを置いている、という。僕はそれをマネたいから、厚かましくも洗濯機の寸法を測らせてほしい、と願いでる。彼女は嫌な顔一つせず、どうぞ、と僕を招き入れる。僕はお礼をいって、部屋を出る。彼女は7回ぐらい次の言葉を繰り返した。あなたが引っ越してきて何か手伝うたって、逆に迷惑になるかもしれんけど、なにかあったら声を掛けて。