本を洗濯

僕は入浴中に読書する。読み疲れたら、浴槽の隣にある洗濯機に本を放り投げる。その本の続きをまた読むのだから、そのままにしておく。探すからだ。

今回は新聞紙を洗濯機に放り投げていた。新聞紙はよく目立つから、洗濯機を回す際にその存在に気付く。僕は新聞紙を取り上げたことをよいことに、本が洗濯機に入っていることまで気が回らなかった。

洗濯後、洗濯機のフタをあけて驚いた。ふにゃふにゃの紙が散乱していたからだ。最初、僕は一部を取り忘れた新聞紙かと思った。僕は洗濯機を使えば新聞のインクもきれいに落ちるものだと感心していたが、紙の量が多かったからこれはおかしいと思い、洗濯物を片付けていると塊が出てきた。本だ。

本は洗濯すればこうなる。僕は自分のマヌケな部分と洗濯後の本の形状がおかしくて、声を上げて笑った。