『あなたのTシャツはどこから来たのか?』

今日は『あなたのTシャツはどこから来たのか?』という本をご紹介します。著者はピエトラ・リボリさん。肩書きはジョージタウン大学の教授で、専門は国際ビジネスの倫理と社会公正問題です。

この本の要点は、中国の綿産業が単価の安いTシャツが世界中に流通しているのに、どうして、単価の高いTシャツを生産するアメリカの綿産業が衰退しないのか。理由はアメリカ政府が強力に自国の綿産業を保護しているから。グローバルな自由競争って何?これです。

わたしのTシャツが、政治ではなく本当の意味での市場の物語となるのは小売段階に入ってから、しかも不用品として救世軍のリサイクルボックスに投げ入れられてからである。そこにいたるまで、Tシャツの一生の大部分は、自由競争市場に対する政治的反発であり、政治による保護であり、政治による介入であった。つまり、自由市場を単に崇めたり中傷したりすることは、世界貿易をあまりにも単純化しており問題が多いと言える(p318)。


あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実