不思議なアナウンス

昨夜、僕は大雨の影響で駅のホームで1時間の待ちぼうけを食らった。そのこと自体は仕方がないし、あらがいようがない。アナウンスがスピーカーから流れる。

今回の大雨の影響により運転を見合わせております。お急ぎのお客様に大変ご迷惑をおかけいたしまして、お詫び申し上げます。繰り返しお伝えいたします。このたびの大雨の影響により運転を見合わせております。お急ぎのお客様には大変ご迷惑をおかけいたしまして、お詫び申し上げます。

あまりに頻繁だから、時計を見た。アナウンスは2分に1度に流れた。機械的で早口。アナウンスは30回分。僕は60回分の同じ内容のアナウンスを耳にした。

過剰。

どうしてこれほどの頻度でアナウンスするだろう。ここまでお詫びされると、お詫びの価値は軽い、軽い。
僕はやがて来た電車に乗る。乗車中に流れたお詫びアナウンスはゆるやかな間隔。落ち着いた声。今回の出来事は職員の裁量なのか。それとも、ホームの職員と運転中のそれとの違いなのか。まったく不思議だ。