散髪とか

8時に起床。洗濯機を回す。その間に掃除機をかけ、雑巾で床を拭く。今日のすることをメモ。

手帳に予定を落とし込こむこと。散髪屋に予約を入れること。飲料水を近所のスーパーに買いに行くこと。5項目のテキストと文章をクライアントに納品すること。

納品予定の写真を加工するが、思った以上にやる気がでない。身体の感覚は鉛が貼りついているかのよう。身体が重い。身体が重いと心も重い。気分を変えるために、BBCのラジオ放送を聞く。何を言っているのかさっぱりわからない。便利になったものだ。一昔前はCDを購入して、英語を聞いていたのに。作業を中断して、洗い終えた下着と靴下、シャツなどを干す。近くの散髪屋をネットで調べる。徒歩10分の美容室を見つけ、予約を入れる。電話に出た相手の声に少し元気がなかった。僕は「この店で大丈夫か」と少し疑心暗鬼になるが、なんせ身体がだるいから、妥協。

12時にコンビニで朝昼飯のチョコ麦を購入。前日に知り合いと飲んだので、今日は2食。小雨がパラパラと降る。

散髪屋に向かう。僕の担当者は、少しあっち系の40代らしき男。彼は「切りやすい髪質ですね」「いい髪質ですね」とつぶやく。僕はだるかったので、「はあ、そうですか」と軽く反応する。そんなことはどうでもいいから、ちゃんとカットしてくれ。僕は目を閉じて、ハサミが髪を切る音を聞く。それから頭を洗ってもらい、髪を乾かしてもらう。いつもなら心地よいサービスなのに、今日はあまりそうでもない。

20代前半のシャネルのTシャツを着た助手の女が僕の頭、肩をマッサージする。彼女のマッサージが痛くて、僕はびっくりする。頭をどつかれ、肩の筋肉を潰されているかのような感覚。先に彼女のマッサージを受けていたおばあさんが「気持ちええわぁ」といっていたが、僕は「おばあさん、このマッサージのどこが気持ちがいいねん」と内心でツッコミを入れる。マッサージのあと、先の理容師がまた僕の髪を微調整するために、髪を切り始める。彼はいう「思った以上に、髪が立ちやすいんですね」。プロらしからぬ言葉に僕は驚く。お前が髪を切ったんだろ、お前が。

パン屋でパンを購入。店員が「お店のスタンプカード、お持ちじゃなかったですか?」と質問する。僕は「お持ちじゃなかったですか?」という否定形の疑問文に反応し、これは一体どういうことかと迷う。僕はスタンプカードを持っている。だから、「はい」と答えれば、店員はスタンプカードを僕に作ってくれるだろうし、「いいえ」といえば、スタンプカードにスタンプを押してくれるはずだ。僕は想像し始める。

店員「お店のスタンプカード、お餅じゃなかったですか?」
僕「いいえ。スタンプカードはお餅じゃありませんよ」
店員「わかりました。じゃあ、スタンプカードお作りしますね」
僕「いや、僕はスタンプカード持ってます」
店員「?」
僕「?」