なんとかなった

今回の仕事の納品は写真とそれに対する説明の文章だ。

僕は画像の加工に手間取り、そのうちに慣れてきて、画像だけを一気に加工し終える。それから原稿を淡々と書く。誰にでもわかるような最大公約数的な文章にして、僕自身の意見を省くようにする。すると文字数も自然と少なくなるが、写真に対する説明文章としては悪くない。

だから、僕はこれを楽な仕事だと思っていた。僕は写真と原稿をチェックし終えて、さあデータを送信しようと、最終確認のためにクライアントからの注意事項を改めて読み直す。

びっくりした。僕の原稿の文字数がクライアントの指定する文字数の3分の1で、少なかったからだ。

これ以上、どう言葉を紡げばいいのだろう。僕は少し思案にくれて、面倒くさくなる。コンビニでお菓子を買って、食べて、気分転換を図るか。風呂にでも入るか。それとも寝るか。

クライアントとの約束は守らなければならない。僕は納品の半分を提出するといったからだ。文章を書くにあたり、クライアントが教えてくれた参考ページを読みなおす。すると、そこには個人的な意見が結構、書かれてある。僕はその方法を真似て、辞書やパンフレットの言葉を拾いつつ、自分の言葉で文章を書きあげる。

改めて文章を書き始めた僕は、これはちょっと厳しいんじゃないのか、と半ばあきらめる。だから、少し長ったらしい言い回しで文章を作ろうと考えた。そうすると、中身のない文章に仕上がるので、嫌気がさす。嫌気がさすが、仕事だから仕方がない。だけど、書く以上は、読み手にとって多少とも有意義でありたい…

と思いながら、文章を書いていると、不思議なことに書ける。書けるから、楽しい。それに今日の身体の重さも次第に薄れてきて、身体が軽くなった。頭も身体も軽い。うれしい。

気が付けば深夜1時半。

なんとかなるもんだな。風呂に入って、寝る。