カスガタマキ(25歳)

僕が男に自己紹介を終えたあと、男は僕に質問する。「他の人はどうなんですかね。どういう人が就職しやすいですか」。僕は「みんな仕事探してますね。学歴が高い人ほど就職しやすい傾向にあるみたいです」と応じると、男は「そうなんですか。それなら僕は大丈夫やな」と答える。

(今日、職安にいらした目的は?)今日は自分に合う職業を探しにきて、いい職場があれば紹介状をもらって、帰るぐらいですね。今、失業してますね。前の業界は印刷業です。機械のオペレーターとして働いてました。その時は8時に始業して、20時半に仕事が終わる感じで。その次の週は夜勤で、18時に始まって5時に終わるような時間帯。夜勤の時は家に帰って、寝て、次の日は仕事行く1時間前に起きて。ただ仕事こなしてる感じですね。1週間でシフトが昼夜逆転してたんで、体調はよくないですね。

(体調の心配は?)家族からは結構いわれましたね。「もうそこまでして働くんやったら、次のとこ探してもいいんちゃうか」って。僕は「もうちょっと頑張ってみようかな」って最初思ってたんです。世間が不景気だったんでね。でも、熱とか結構出したりして、体調的にきつかったんで、もうこの仕事を辞めようと。

(仕事中はどんなことを考えていましたか?)仕事中、「もう早く、次の休みの土日こおへんかな」って考えてました。まあ、本当、疲労がたまりすぎて、会社に対しては何も思えなかったですね。今振り返ると、前の会社を辞めてよかったと思いますよ。6月に辞めたから、求職期間は今日で2か月ぐらいですね。夜勤があるのと本当に毎月の休みが少ないから、自己都合で辞めました。

(辞職するときの葛藤は?)あまり葛藤はなかったですね。というのは、まあ、実家に住んでいるので、そこまで生活費に困らないし、関東の私立のマンモス大学出たし、まだ若いから仕事は他にあるだろうと。学生の時の就活で思ったんは、東京近辺の仕事が圧倒的に多いんですよ。でも、家の事情で京都近辺で就活することになって。下宿先が関東やから、就活の時はこっちまで新幹線使って、よくお金遣いましたね。

(仕事探しの条件は?)「夜勤がなし、給料は18万以上、年間休日が110日ぐらい、休みは基本的に土日休み」っていう条件で仕事探してます。35歳までを対象にしたジョブカフェがありまして、いつもはそっちで探してます。最終面接まで何社かいけてるんで、手ごたえはありますね。もう少し頑張れば、合格かな。それでも今日ここのハローワークに来た理由は、京都の求人ならジョブカフェでもすぐに出せるんですけど、大阪とかになると手間がかかるんですよ。企業が七条のハローワークに求人データ送ってもらって、そこを経由して、ジョブカフェにデータを送ってるみたいで。少しなら求人表を出してもらえるんですけど、多かったら求人表出してもらえないんで。

(退職後の家族関係は?)仕事辞めてから、家族関係は今までどおり変わらないです。

(将来に対する展望は?)わからないですね。もしかしたら、景気がよくなるかもしれないし、まあ、このままずっと悪いかもしれないし。

(世間にいいたいことは?)ないですね。今、求職活動で使ってるのはハローワークとかジョブカフェだけですね、派遣は使ってない。派遣を利用する暇があるなら、正社員で仕事探したほうがいいから。