雑感

勉強を始めている。楽しい。私のもやもやした疑問に対する先生の解説が理路整然とわかった時、理解が私に訪れて、気持ちいい。気持ちいことは布団にいるときや山登り、セックスだけではない。もっと知りたい、学びたいという意欲までくっついてくる。おまけに生きてて、よかったという実感まで沸く。勉強、恐るべし。

私は幼児を見ると、あの愛らしさは一体何なんだろうかと思うようになった。全部がかわいい。丸ごとかわいい。私はあいつらを見るたびに、目が覚める。風にたなびくふわーっとした柔らかそうなかみの毛。小さな小さな指と爪。なんというかわいさだ。私は泣いてる子を見ると、「よ。あんたさ、なんで泣いてんのさ?いろいろあるだろうけどさ、あんたもさ」と思い、寝ている子を見ると「あんた、かわいいでちゅね〜」とおばさん化せざるを得ない。

美人が電車内で化粧を施す場面を見たことがない。車内で化粧を施す女性はブスしかいない。なぜだ。もし、美人が車内で化粧をしていたら、俺は見とれて、「きれいだなあ」と思う。他方、ブスだと「この人、ヤだな。ブスなら生活美人であるのがたしなみなのに、生活までブスだなんて、二重にひどい。毛穴をファンデーションでふさいでるあなたの毛穴を目の前で見ているのは俺だ。見せたくないものを見せないのが化粧なら、この矛盾はなんだ。あなたが毛穴をふさいだとしても元がどうしようもないんだから、そのどうしようもなさをカバーするのが生活のたしなみなのに、どうして車内で公共化して、さらなるブスをまき散らすのか」と目を閉じる。車内の化粧問題は「好きか/嫌いか/どうでもいいか」という顔面の好みを端的に示している。結論が出た。