おおさかのでも その2

カップルの兄ちゃん側がこのプラカードを掲げてた。僕はここぞとばかりシャッターを切る。空の青、両脇のビル、そしてこの「脱原発 NO NUKETS!!」。



こうやって大きな垂れ幕を掲げて歩く。特に1枚目の垂れ幕は迫力満点。思わずシャッターを向ける。背景が洋風の建物だから垂れ幕とのギャップが生れて、妙にオシャレ。ここは本当に大阪なのだろうか。デモに混じって街を歩くと、街の風景がガラリと変わる。街は稼いだ金を消費する場所だけではなく、こうやってみんなでわいわい歩く場所でもある。


僕はたまたまこの垂れ幕の前にいて、当然この垂れ幕は目立つし、絵になる。だから、新聞記者がパシャパシャ撮影する。僕はデモに混じらないで、外部からパシャパシャ撮影するという立場を尊重するし、撮るということは撮られるということでもある。せっかくの機会だから、撮影する人を撮影してみようと思う。この左にいるオレンジの風船を持ったおっちゃんは面白い人で、誰がカメラを向けても撮影されたがる。




とはいうものの、そんな機会は滅多にこない。記者は縦横無尽に動けるけれど、僕はデモの歩くペースに規定される。その時、僕のやや前方にマヌケな格好をしたカエル女がいて、その後ろになんと記者がいた。僕は驚く。すごいチャンス。僕はカエル女を撮影すると同時に、記者を収める。運は重なるもので、記者の後ろから撮影するカメラマンまでいる。彼はNHK教育テレビノッポさんのようだ。マヌケな構図だから、撮る。カメラマン×ノッポさん×カエル女。このカエル女は洒落のわかる人で、ポーズまで決めてくれる。僕もカエル女につられて、親指を上げて、ナイスポーズを送る。カエル女は大きな数珠とバタフライのタイを首周りに身に付け、太鼓をトントンと叩く不思議な人だ。変装をした人は他にもいて、ピンクのうさぎ男や背中に羽の生えたかわいい天使までいる。


仏様も「わたしらもいいかげん怒るで」とご立腹の様子。まさか仏様がデモに来るとは。その仏様を掲げていたのは袈裟を着た僧侶たち。彼らは坊主ではなく、普通の髪型。僧侶もデモに参加するのだ。本当に色んな人たちがいる。