成り行き見せ合いオナニー

成り行きで、スカイプを用いたオナニーの見せ合いをやってしまった。まさに成り行きで、成り行きには葛藤がなく、成り行きになったのは、自分のことはどうでもいいと思っていたからだ。

それ自体は別にどうってことはなく、パソコンの画面越しのお互いの下半身が見えるだけ。相手は40代の人妻で、薄い陰毛がわさわさと股まで広がっていて、唇のようなオマンコがぱっくりと開いて、内側のピンク色が陰毛の黒との対比で目立った。昔の言い回しでいうと、情が深いオマンコといえばいいのか。

彼女は座って、M字開脚。クリトリスの先を中指でいじり、その根っこを人差し指と中指ではさむ。それを繰り返し、中指と人差し指を中にゆっくり入れて、騎乗位のようにそこに体重をかけて、出てきた白い愛液を滑降油にして、またクリトリスをいじり、吐息を漏らしてた。僕はそれほど興奮しなかった。僕が10代だったら異常に興奮して、一緒にイった上に、またすぐに始めただろう。僕はなんとなく相手にサービスするためにオナニーをする手の速度を速めたり、カメラに近づきながら、性器を見せつけていたら、彼女はイった。

僕は30代半ば、相手は40代前半でお互いにいい年だ。パソコン越しのオナニーは、オナニーが僕らの生活に密着してるというか、オナニーとは生活感のあるものなんだとわかる。

興奮したのは、彼女が一度イってから、彼女の恋人の話をしたときだ。彼女は「恋人の話をすると濡れる、好きだから」といい、そこから妙な沈黙が訪れ、空気が淫靡になって、彼女は股に手をいれて、いじりはじめた。よく見えない。僕はこの瞬間に興奮し、瞬間なので、覚めた。結局、同じ。僕は彼女のオナニーを見つつ、相手にサービスをして、彼女はイって、僕はイかなかった。

彼女と世間話もした。彼女は既婚者で、同じ既婚者の恋人がいる。不倫だ。理由を問うと、お互いの家庭の寂しさを埋めあっていて、不倫をしないと大切な家庭が崩壊するからだという。別居経験もある彼女は自分の旦那を大きな子ども、例えると血のつながっていない長男だと話した。だからもう愛していないと、触られるのも嫌だと。どうして結婚したのか?と問うと、愛していたからだと答えた。僕は彼女の見方、世界を面白いと思った。

それから彼女は「世の中の夫婦って何考えてるんだろうね」といった。東京弁のイントネーションで。冷めてる感じというか達観した感じというか、上手く言えないけど、格好いいと思ってしまった。関西弁だと生活臭が出てしまって、そうは思わなかっただろう。

彼女の疑問は僕も気になるところだ。