俺の好きな女

好きな女の目の前でバシっとかっこよくふるまうことができればいいのだが、俺は好きな女の目の前で右往左往して、おろおろしてしまった。

男として情けないなあと思いながら、俺はじくじくしていたのである。

こんな恥かしいことはなくて、少しでも格好良く見せるために「アレは○○でいいんですよね」とか偉い人に確認をとるのである、俺は。

俺は取るに足らないどうでもいい質問を偉う人にして、その場をつくろうのである。なんと情けない。

でも俺の好きな女は俺の姿を見なかったかのように、「そうなんですよね、うふふ」と笑う。

だから、俺はこの女が好きなんだ。