雑感

しわの入った顔が電車の夜窓にうつる。いつの間にふけたんだろう。帰宅して、椅子に腰かけると、疲れがドッと出てきて、40代になった感覚に陥る。潤いという潤いがどこかにいったんじゃないか、俺は。なんで、こんなに疲れてんだろう。

用事ついでに、梅田のルクアにある蔦屋書店に寄った。コーヒーチェーン店が書店に包摂され、今までにないおしゃれな店だ。書店にあるじめじめした雰囲気やいかがわしさ、近寄りがたさもない。来店者は若くて、おしゃれな人が多く、それが店のおしゃれに拍車をかけている。書店の椅子に座って、コーヒーを飲みながら、本を読む人もちらほらいる。視線という視線が行き交い、誰もが何者かを演じている。私はこの店の雰囲気が嘘くさくて、貧乏くさいと思った。

20年前の番組をユーチューブで見たあと、出演者のその後をウィキぺディアでたどる。「この人、この時はこうで、10年後にこんなことになるなんて、思ってもなかったんだろうな」「この顔は10年後にこうなるんだな」。いやらしくて、楽しい趣味ができた。

朝、目が覚めると、昨日のことをあらかた忘れている。分厚い鉄が上からドスンと落ちて、首と頭が落ちたような感覚だ。今日は昨日と断絶して、今日は今日。それで、昨日の朝のことだけはよく覚えてる。というよりも、今日の朝を見て、昨日の朝を思い出す。もう今日も朝か。昨日も朝だったのに。7時間、8時間は寝ているから、感覚として、朝を迎えるのは16時間後で、短く感じるのは当たり前かもしれないが、私の朝はいつもこうだ。